2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

第13回:農業技術と百姓仕事

3.「公益/私益」から「共=コモン」へ 3-1. 百姓仕事から生まれる「みんなの利益」 1970年代に、農業の価値の見直しとして、食料を生産しているだけではなく、洪水を防ぐ、水資源を涵養する、気候を緩和する、風景によるやすらぎを与えるといった、さまざま…

第12回:「自給」ということと自律・自治

2.「共=コモン」の回復 2-1.中央集権化で失ったもの さて、2つめのキーワードは「自給」です。それらはまた、「コモン(共)」というキーワードにもつながっています。ここで宇根さんが使っている「自給」ということばは、国レベルの「食料の自給」という…

第11回:『農は過去と未来をつなぐ』を読む。

1.減農薬運動がもたらしたもの ――主体性と自律性を奪っていたものは何か 1-1.日本の戦後と農業の歴史 今回、主となるキーワードは、「専門家支配(professionalism)」と「技術」と「リアリティ/アクチュアリティ」です。それとともに、「自給」(自治)…

第10回:二つの世界の対比・対立と「人類学的普遍性」

4.「灰色の男たちの世界」の中にある「モモのつくる社会」 灰色の男たちが生きた時間を直接搾取できずに死んだ時間に変えて搾取するしかないと、「生きた時間」と「死んだ時間」を対比させてきましたが、物語によれば、灰色の男たちが生きていくために摂取…

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